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2010.9.26■第一回関西トランペット協会コンクール
ガボール・タルケビ オーケストラスタディセミナー

まずは伊丹空港へお出迎え。
11時15分着予定だったので、11時5分に空港へ着き到着ロビーへ行くと、すでにボードには到着済みの掲示。荷物待ちのカウンターをのぞくとそれらしい人影が。待つこと10分。出て来た人物に久しぶりに使うドイツ語で思い切って問いかけると、ガボールタルケビその人でした。

タクシーで宿泊先のホテルへ。通訳の吉田氏と合流し、軽く打ち合わせ兼昼食のつもりが、朝食べ過ぎたので、お茶だけでおしまい。
部屋に入り、仕事のメールとウォーミングアップを済ませ、会場のアイフォニックへ。あいにくの雨なのに傘をさす習慣がない様子。控え室へ案内をしましたが、会場の小ホール1でよいと楽器を出し、飲み物は?の問いか毛に対し、「水をたくさん」飾らない人柄、優しい笑顔が印象的でした。

1時半から4グループのオケスタレッスン。
サウンド、フレーズ、スタイル等、懇切丁寧な指導、解りやすいレッスンでした。
時折自ら演奏し、フレーズの繋ぎ方、ニュアンスを示してくれました。
その時の発音のクリアさ、透明感のあるサウンド、歌、さすがベルリンフィル。
残念ながら全てのレッスンを聴くことは出来ませんでしたが、受講生の皆さんも素晴らしい経験になったと思います。

夜の部では、トランペットを始めたきっかけから、ベルリンフィルへ入団する迄の話。3代続くトランペット一家。兄もトランペット奏者。幼少期は一人ぐらいはラッパ以外をとの父の考えでピアノをクラリネットを学んだものの、その父が10歳の時に断念してくれたお陰で、トランペットの道を進む事になる。
ハンガリーでの演奏活動の後、元ウィーンフィルのハンスガンシュ氏と出会い、薫陶を受ける。ドイツのオーケストラに居ながら、オーストリアのメーカー シャガールを使用しているのは、そのためであろう。
いよいとベルリンフィルでのオーディションで出た、オーケストラ曲の演奏。
ドイツのオーケストラでトランペットにとって最も重要な音楽のとして取り上げたのが ファンファーレでした。
レオノーレ序曲の2、3番のファンファーレ。そしてカルメンのファンファーレ。どの演奏でもクリアで推進力のある演奏でした。タンギング、発音の鮮やかさには、驚きです。言葉の差もあるのではと思いたくなりました。
他にもラベルのピアノコンチェルト、ペトリューシュカ、アルペンシンフォニー等々。どの演奏もクリアなサウンド、明確なリズム、大きなフレーズ、やはりベルリンフィルはすごい。弱奏時の柔らかさ、「歌」又、力強い演奏でもやかましくならない。
音域や動きの激しさに関係なくぶれないサウンド。ニュアンスの多様性、幅は伝えたい「音楽」「歌」が求めるものであり、また、本拠地でもあるベルリンのフィルハーモニーザールという広い空間が求めるものなのでしょう。

聴講者からの質問も多数出ました。
ロータリートランペットとピストンヴァルブの使い分け、或は、奏法の違い。
ロータリーはマウスパイプが短い分広がりのある息のイメージ。ピストンは長い分、よりスピード感のあるフォーカスが遠いイメージの息。等々。
次回は短いフレーズばかりではなく、ソロ曲も聴きたいですね。
打ち上げは駅近くの居酒屋へ。夕方あたりからビール!ビール!の連呼でした。
最後に通訳の吉田氏をはじめ後援、協力して下さった皆様に深く感謝いたします。ありがとうございました。
(No.00007 竹森健二)